【結論】
・自分で自分の才能を諦めない限り必ず成長出来る
※8年戦争-前編-
続き
小学校卒業直前、最後のバトルも印象的だった。
すでに二人の進路は決まっており、
Dは関東でも知られる強豪クラブからスカウトされていた。
一方Sは部活でサッカーをやることに決めていた。
※惜しいよね、、、ここはまた別の機会に話します
6年間ルールは同じ、先に2勝した方が勝ち、決まるまで続けること。
慣れ親しんだシンプルなルールだ。
違う道を選んだ二人、最後の戦いは今でも鮮明に覚えている。
1戦目、開始わずか5秒でDが決めた。
「打倒ネジの答えはハイスピードコンボ!」
八門遁甲開けて裏蓮華でも使ったのかってぐらい早かった。
「Sの攻略法は分かってる!楽勝ッ!」
ここぞとばかりにSを煽り倒し、
近所迷惑かってぐらい大きな声で喜び吠えまくるD
そんなDを睨みつけるS
一言も発さない、ただじっと目に焼き付けるようにDを睨みつける。
おれも周りもみんな驚いた。
そうかようやくその時が来たのか、、、
5年間の時を経て遂に「努力が実を結ぶ」瞬間が来るのか。。。
次、Dが取れば2勝、Dの勝ちが決まる!
2戦目、長い長い戦いだった。
一対一、しかもキーパーなし、撃てば入る。
なのになかなか決まらない。
5分経ち、10分経ち、、、
他の組が一巡してもまだ決着が決まらない。
仕掛けても抜けない、抜けても撃てない。
常にディレイ掛けられてスピードに乗れない。
スクイーズで突いてもお互い間合いを読んでいるので当たらない。
15分経過。。。
ああ、この流れはSが勝つな。。。
そんなことを思っていたら、やはりSが決めた。
集中力の差だ。
読み合いもある程度まで行くと覚醒状態になり、
しばらくすると全身の意識が隅々まで感じられると同時に、
ある種感覚が希薄になる瞬間がある。
Sはそういうのを一切見逃さない選手だ。
動きの機微、反応や反射、本来見過ごしがちな変化を確実に突ける男。
まあ恐ろしい選手ですよ。
決めた一連の流れは至って自然なもので、
Dが道を空けたのかと思うほど流麗な流れで決まった。
多分、SはDの15分間の動きのクセを見抜いて突いたのかなと思った。
おれには出来ない芸当だ。
決まった瞬間、いつもの光景が始まるのかなと思っていたけど、
そんなことはなかった。
Sは小さなガッツポーズをしているが、
Dは感情を表に出すこと無く、淡々と列に戻っていった。
静かで不気味。。。
いや違った、、、
Dは声も出さず、ただただ涙を拭ってる。
あいつ忍び泣きしてるじゃねぇか。。。
3戦目、ラスト、小学生時代最後の戦い。
Sが6年間無敗で締めるのか、
それともDが最後の最後に爪痕を残すのか。
Dは攻めた。
徹底的に攻めた。
パワーで激しく追い込む。
Sはボールを保持して、流れを掴もうとする。
取れそうで取れない位置に常に置いて、スキを作らせる。
相手を意図的に操るプレーだ。
最後の戦いは2分で終わった。
置き去りにされる瞬間、動きがフリーズしていた。
一瞬の判断、スクイーズの原則通り瞬間を見逃さず突いたのだと思う。
見後、本当に流石でした。