
かつて裏社会を震撼させた天才アカギは生涯たった1人の弟子に語った。
「弱気に流れている人間は理に頼ろうとする、直感に頼ることが出来なくなる…」と。
その弟子はあろうことかスポーツ選手の卵だった。しかも、幼い頃からセンスが良いと評価される選手だった。
ちょうどその頃、弟子は苦境に立たされていた。
「センスだけではダメだ」この一言を機にそれまでとは打って変わって暗闇に足を踏み入れてしまったのだ。
スポーツ界においてこうした指導は珍しいことではなく、多くの若き才能、天才が持つ天秤はどこかで方向転換を余儀なくされている。
「センスが良い」・・・その言葉は、あえて日本語にすると「筋が良い」とも言われる。
ともすれば、「勘が良い」と解釈されることもある。
アカギの語る直感とは、まさにそれを伝えていた。
「理とは弱気に生きる者達の命綱……」
アカギの弟子もまた、伝説、怪物。
これはアカギの弟子が理をセンスで断ち切る物語である。