毎朝同じくらいの時間に目が覚めて、毎朝同じ電車に乗って同じような仕事をこなして、似たようなご飯を食べて、パターン化されたゲームや動画を見て眠くなったら眠る。
そんな毎日を「平穏な人生」と称してこれこそが身近な幸せだと言い聞かせてきた。
そこには競争相手も見栄の張り合いも何も介在していない。なぜなら、自分にしか関心がないからな。
ゆっくりと死んでいくだけ…
なあ兄弟、そう思わずにはいられないだろう?
でも、おれは『幸せ』なんだ。これが求めていた『幸せ』なんだよ。
そんなおれにアラブの精神分析学者が尋ねてきた。なんでも、子ども兵の心理分析で成果を出しているらしい。
『幸せ』なおれに何を求めているんだろう、これから一体何が始まろうとしているのだろう。