「金が実在することに価値はあるのか?」
1970年代、通信インフラ会社に務める室井は金の存在価値について考えていた。
思考を重ねた結果「金を電子化すること」を夢見て一念発起の企業を志した。
すると外資系企業数社が協力してくれることとなり、資金から営業から万全なバックアップ体制が用意された。
やがて事業は2年で上場を果たす大成功となった。
「電子マネーの虎」とまで言われた室井だったが、ある日突然の経営権剥奪を申し渡される。
男はその日、初めて「ビットコイン」という言葉を知った。
そう、すべては外資系企業が粛々と進めていた計画の一端だったのである。