8年戦争-前編-

【結論】

・ライバルとは、自分の潜在能力に気付きを与えてくれる存在である

「こいつにだけは負けられないっ!」

「この人に良いところを見てもらいたいっ!」

ライバル関係、師弟関係、人が成長する上で関係性ってとても大切だ。

 

ドラゴンボールで例えるなら、孫悟空とベジータ

NARUTOで例えるなら、ロック・リーとマイト・ガイ

 

熱い闘争心を見ていると、こっちまで自然と熱くなってくる。

最高の時間ですね。。。

 

DとSは、年中の頃から小学校卒業まで、8年間常に戦い続けた。

 

一言で言うならトムとジェリーで、

直情的で本能の赴くままに戦うDはトム。

冷静で抜群に賢いSはジェリーだ。

 

明らかに周りよりもハイスペックで頭一つ抜けた存在だった。

そんな二人は園児の時、出会った頃から火花を散らした。

 

何かあると事あるごとに口喧嘩と殴り合い。

パワーで押し切るDと聡明なSの戦いは園児ながら面白い。

 

Sの賢さは抜群で、生まれ変わってNewゲームでもしてるのか?

ってぐらい賢くて、年長にしてすでに小学4年レベルの知性を感じられた。

そしてDは野性的な直感が抜群で、素直な心と諦めないど根性からは高潔さが感じられた。

 

これほど対照的でかつ図抜けた能力値を持った二人が戦うのはもはや必然だった。

 

だから、1年生になった時、試しに邪魔の入らない本気の一対一をやらせてみた。

キーパーなし、フットサルコートを一回り小さくしたぐらいのフィールドだ。

撃てば入る、一瞬の読みと集中力に左右される。

 

一回目はSが勝った。二回目もSが勝った。

ようやく三回目でDが勝った。

 

DのパワーをSがいなす。Sの技術をDが気合で潰す。

激しい攻防の後、必ず硬直して読み合いが始まり、そしてまた一気にスピードが上がる。

 

これが本当に面白くってさ!

一瞬の間合いを感じて、詰めの甘さを狙って、フェイクで誘って、、、

マジでこの歳でこんなレベルありかよって、立場を忘れてニヤニヤしちゃう(笑)

 

こんなんだから、もう毎年一対一は恒例になった。

 

そして年齢を重ねると共に、二人には体格差が見えてきた。

Dは強く大きくなるが、Sは背が伸びない。

 

力のDと技のS、その対照的な部分は明確になり、

ゴールはD、Sはアシストという構図がチームの必勝パターンにもなっていった。

 

周囲から評価されたのはDだった。

一人で持ち込んでDFラインを壊せる破壊力は魅力的に映りますからね。

承認欲求の塊のようなDは日に日に傲慢さが増した。

 

でも、なぜか一対一はSが勝ち続けた。

 

トレセンでも抜群に評価されているDが、Sと対峙すると常に負け続けた。

Sの持つ賢さと集中力は底知れなかった。

Dがファール覚悟で頭1つ差のあるSを潰しに掛かってもSは怯まない。

 

Sの胆力にはおれも衝撃を受けた。

1聞いて10知るタイプとはまさにこのこと。

地頭が抜群に良くて、空間認知、記憶力、判断力どれも一級品だった。

 

けど、Dもヤンキー魂のような野性的な嗅覚と強引さを武器に押し切る時がある。

 

勝った時のDの笑顔は最高だった!

もう、屈託の無い、最高にイイ顔して笑ってた!

 

でもDが何をどうしようとも最後の最後は必ずSが勝ち切った!

 

だからDは戦う度に泣いて動けなくなった。

そして次こそはと努力を重ねて更に強くなってSに戦いを挑むがそれを更にSがその場で攻略する。

Sが小さくガッツポーズする傍らでDは膝から崩れ落ちていく。

 

もう何度も何度も見てきた光景だ。

Dの気持ちが分かるから本当にもらい泣きする。

見てる側からすると、どっちも応援したくなるんだよね。

 

※後編に続く

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