読めない小説 電脳硬化症が招いた地球幼年期の終わり 2018年11月30日 オウギが大学院に進学した2023年、ちょうど電脳化が普及し始めた頃、電脳硬化症と呼ばれる原因不明の病が猛威を振るっていた。 それは、電脳化を施した部位が次第に硬化し、最終的には脳死に至る病であり、発症率は低いが、電脳化していれば誰でもかかる可能性があり根本的な治療法はないとされていた。 そのため、結核、癌、エイズなどに... 間久部緑郎
読めない小説 海賊王GDロジャーとラフテルが指し示した自由の違い 2018年11月22日 世界政府が頑なに秘匿した「失われた時代」とは「人と自然が別れた日」を指していた。 海賊王Gロジャーの時代は自然界と繋がることで得られる「覇気」が力の象徴だった。 しかし、悪魔の力を解放した何者かの「革命」によって世界の均衡は崩されたのだ。 人の心は脆い・・・すでに悪魔に侵食された世界においてロジャーは、それでも「自然... 間久部緑郎
読めない小説 天才赤木しげるが育てた男 2018年11月21日 かつて裏社会を震撼させた天才アカギは生涯たった1人の弟子に語った。 「弱気に流れている人間は理に頼ろうとする、直感に頼ることが出来なくなる…」と。 その弟子はあろうことかスポーツ選手の卵だった。しかも、幼い頃からセンスが良いと評価される選手だった。 ちょうどその頃、弟子は苦境に立たされていた。 「センスだけではダメだ... 間久部緑郎
読めない小説 渇いた叫び 2018年10月10日 1980年代にJourneyのヴォーカルとして活躍したスティーブ・ペリーは、突如としてバンドを脱退する。 その歌声は「20世紀最高の声」「百万人に一人の声」と称されており、世界中にファンを持つ。 したがって、40年経った今でもその美声を待ち望む声は多い。 ここにいる口髭を生やした良いオヤジの母親もその1人だ。 彼の母... 間久部緑郎
読めない小説 機械仕掛けの伝染病 2018年10月9日 昔は個人情報が価値になるなんて思いもしなかった。 営業リストに使えるだけで全く意味がないと思っていた。 2025年、電脳化の一般普及が終えた頃、そんな常識を揺るがす事件が起きた。 なんと、マイナンバー下3ケタに「6」が入る者を対象にした殺人的な伝染病が蔓延したのだった。 この事件が明るみに出た瞬間、同時に個人情報が経... 間久部緑郎
読めない小説 無観客劇場 2018年10月5日 学校の先生が「世の中には二種類の人間がいる。それは作る人と使う人だ」と言っていた。 作る理系と使う文系、昔はこんなことが言われていたらしい。 今では劇場は増えて踊り子も増えて振付師も一流となり、量と質は格段に高まった。 けど、今足りないのは「見る人」の存在なんじゃないか。 「見てみたい」人がいなければ成立しない。 ... 間久部緑郎
読めない小説 ギャングスターに憧れたのだ 2018年10月4日 息も絶え絶え、精魂尽き果てた男が草むらに倒れ込んだ。 「ここに手傷を負った男が通らなかったか?」追跡者がジョルノに尋ねた。 「あちらに行きました」ジョルノは即座に答えた。 その時かすかな声で男が何かを呟いて以来、街はジョルノにとって天動説となった。 男は「感謝」と「敬意」を示したのだ! 決して恵まれているとは言い難い... 間久部緑郎
読めない小説 過去から迫る恐怖 2018年10月4日 「恐怖は過去からやって来る」のであれば、過去が無ければ恐怖は存在しないとも言える。 では、記憶を持つ人間は必ず恐怖を覚えるのだろうか。 答えはノーだ。 彼女、コードネームSM-046は怖がらない。 脈拍は至って健全、何をしても何をされても緩やかだ。 ・・・何をしてもされても。 恐怖を感じない彼女に恐怖を感じる人間が... 間久部緑郎
読めない小説 夢を忘れていた古い地球人たち 2018年10月4日 「地球は青かった」宇宙飛行士ガガーリンは語った。 1960年代、人類は「上に」何があるのかを確かめた。 「次は下だ」誰かがそんなことを呟いた。 あれから100年が経過した今日は、エベレストをひっくり返してもなお、底が見えないマリアナ海溝に初めて光が射した日である! しかし帰還した乗務員エデンは斜め左上を見ながら語る。... 間久部緑郎
読めない小説 夢の所有権 2018年10月4日 誰にでも夢の中で幸せを感じた経験があると思う。 人は死ぬ時、生きていた時に深く心に刻んだ記憶が次々と浮かぶという。 夢と記憶から感情を抜いたらどうなるんだろう。 「あなたの目に見えてる世界とアタシの目に見えてる世界はまったく違うものなのかもね」 夢の中で、声を聞いた。「この夢はわたしなの?」少女は考えた。 やがて作... 間久部緑郎