あいつの成功事例 人間の物語

戦いは男の仕事

投稿日:2018年6月28日 更新日:

【結論】

・誰かを助けたいと思った時、自分の覚悟が決意に変わる

やるべきことを先送りにする時、それは後から災いになる。

まさに、恐怖は過去からやってくる。

 

勝負事で負けた時、

「おれ、本気出してないから」

と言うセリフを使う選手がいる。

 

Iもその一人だった。

 

小さい頃から穏やかな性格で、非情や徹底といった言葉からは縁遠いやつだ。

何かにつけて、ちょっぴり言い訳をしてやり過ごす。。。

そんなところがかわいかったりする。

 

けど、試合となると話は変わってくる。

 

上り詰める選手の性格は、大きく二種類のタイプになってくる。

それは、サッカーをやるだけで楽しいタイプと勝つから楽しいタイプだ。

 

バガボンドで言うと、柳生石舟斎か伊藤一刀斎のような関係。

二人は決して相容れない関係に見える。

 

だけど、Iはそのどちらにも属さない。

友達といることが楽しい、チームメイトと一緒なら何でも楽しくなる。

根が優しくて、争いを好まない。

 

けど、それなりに足元の技術とパワーを持ち合わせている。

ハイタワーとして十分な能力を備えていた。

当然、Iには戦力として期待を寄せている。

 

とはいえ、本人が競争して這い上がることに慣れていないので息が合わない。

 

だから初めは「本気出してないから」という言葉にネガティブな印象を持った。

けど、歳を重ねるごとに本人の気持ちの現れなのだということに気付いた。

これは強要してはいけないな、そんなことを思った。

 

基本的に実力はあるのでFWとしてスタメン起用していた。

 

そんなある時、グラウンドのコンディションがドロドロで最悪な雨の日に試合があった。

 

泥にまみれることに誰も臆さない。

Iもドロドロの中で元気にチェイシングをしていた。

前線からジョッキーをしてくれるので、後ろの守備は大助かり。

 

だけど、たいてい良すぎるとロクなことが起きないんだよね。

 

相手がドロドロの状況を良いことに、ラフプレーを仕掛けてきた。

途端に突き飛ばされる選手の数が増えてきた。

優しいIはやられてもやり返せない。

 

人に優しい人間が、必ずしも人に優しくされるとは限らない・・・

 

そんな時、Iが後ろからタックルを受けて、顔面から泥の中にダイブした。

すぐに立ち上がったけどどうも様子がおかしい。

 

実は、転んだ時に手をやったらしい。

 

すぐにベンチに下げた。

 

「出来る?」

「痛い」

 

「出来る出来ないどっち?」

「痛い」

 

ドクターバッグから諸々取り出して応急処置をしたがほぼ会話にならない。

 

代わりに出場した選手は体格が小さい1つ下の選手だった。

ガッツのある戦える選手だけど、ものの数分でラフプレーの被害にあった。

誰がどう見てもオスカー賞はもらえない倒れ方が多かった。

 

次第に応援サイドがざわめき始めた。

誰か倒れると「おいッ!」や「なんでイエロー出ないの?」って。

ベンチからは言えない気持ちを代弁してくれていた。

 

「コーチ!おれが行く、おれがやります」

一瞬、誰が言ったのか分からなかった。

 

Iだった、Iが初めて自分から戦う姿勢を示したんだ。

仲間がやられる姿を見て、居ても立っても居られなくなったんだろう。

 

「手は?出来るの?」

「やる」

 

「痛いんじゃないの?」

「まだやれる」

 

かっこよかった。本当は止めなきゃ行けないけど。。。

でも、本人の意志を尊重してあげたかった。

安西先生が桜木花道をもっと見ていたいと言ったシーンが良くわかる。

 

いま、ここ、次はない。

本当にその瞬間だと思った。

 

だから

「わかった、任せる」

って送り出した。

 

残念ながら試合には負けた。

 

「手痛い?残念だったな」

「別に、やりきったからいいよ」

でも、その時の笑顔が、本当にとてもいい顔だった。

 

その後、Iが黄金の精神を持っていたかというと、そんなことはなかった。

 

好きだった子が私立の中学に受験進学して泣いた時まで。。。(笑)

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